食品工学入門
 
食品工学入門 −基礎と操作−
 
 
保坂 秀明 著、A5版、343頁、昭和47年9月30日発行、平成18年4月20日三版、定価6,300円
 
 本書は数年来、農学化学系学生と教室を共にし、この種の本の必要性を痛感したので、講義ノートを中心に 取り纏めた食品工学をできるだけ平易に解説する入門書である。
 簡潔を旨とし、化学工学の成書に詳述されている事項はその概要に止め、食品工業に関係の深い単位操作に 紙数を費やした。また、理解を深めるため図表を数多く載せ、さらに若干の例題を加えた。
 数式は最終的なものを主として載せ、その誘導はできるだけ避けた。しかし、重要な数式のうち その誘導の困難なもの(本文中に※印が付してある)は、付録中にその誘導法を示し、数式を数式を理解しやすくした。 また、この種の本としては例外と思われるほど装置の説明に多くの頁数を当てているが、数式を不得手とする場合でも理解できるように 考えたからである。
 本書は入門書であり、すぐ食品工業に応用できるものではないが、食品工業に従事する技術者および 将来食品工学関係に進もうとする人々にとって、食品工学近代化のための基礎的素養となれば望外の喜びである。
 
◆ 目次 ◆
 
1 食品工学の基礎
1.1 物質収支
1.1.1 物質収支の概念
1.1.2 物質収支の計算法
1.2 熱収支
1.2.1 熱収支の基礎的事項
1.2.2 エンタルピの熱容量
1.2.3 食品の比熱
1.3 単 位
1.4 食品の流動
1.4.1 流動の性状
1.4.2 流体のエネルギ分布
1.4.3 管内の流動
1.4.4 食品の粘性
1.4.5 食品の粘度測定法
1.4.6 円管粘度計による非ニュートン流体の流動曲線の求め方
1.4.7 粉体の流動
1.4.8 流量計
1.5 伝 熱
1.5.1 伝導伝熱
1.5.2 対流伝熱
1.5.3 放射伝熱
1.5.4 非定常熱伝導
1.5.5 パン焼き窯の計算例
1.6 生物学的反応速度
1.6.1 反応次数
1.6.2 温度係数
1.6.3 自己消化速度
1.6.4 腐敗速度
1.6.5 殺菌速度
1.6.6 ビタミンの破壊速度における活性エネルギ
1.6.7 ミオグロビン酸化速度
1.6.8 脂肪酸の酸化反応
1.6.9 微生物増殖速度
 
2 熱交換による食品処理
2.1 加熱(冷却)、蒸煮
2.1.1 加熱処理と食品の品質
2.1.2 加熱(冷却)、蒸煮の方法
2.2 食品殺菌
2.2.1 殺菌理論
2.2.2 殺菌条件
2.2.3 缶詰の殺菌加熱時間の求め方
2.2.4 ソーセージの加熱時間の求め方
2.2.5 空気の殺菌、除菌
2.2.6 放射線殺菌
2.2.7 高周波殺菌
2.2.8 殺菌法
2.3 凍 結
2.3.1 凍結速度
2.3.2 凍結時間
2.3.3 冷凍サイクル
2.3.4 凍結装置
 
3 熱による食品の脱水
3.1 蒸 発
3.1.1 食品蒸発の基礎的事項
3.1.2 蒸発缶
3.1.3 熱ポンプ式蒸発器
3.1.4 多重効用缶
3.2 乾 燥
3.2.1 食品乾燥の特徴
3.2.2 湿度図表
3.2.3 乾燥理論
3.2.4 食品乾燥機構の研究
3.2.5 食品の乾燥機
3.3 凍結乾燥
3.3.1 凍結乾燥の機構
3.3.2 凍結乾燥装置
 
4 食品の機械的水分離
4.1 ろ過および圧搾
4.1.1 ろ材
4.1.2 ろ過理論の概要
4.1.3 田口、永井らの圧搾ろ過実験式
4.1.4 ろ過装置
4.2 沈降分離
4.2.1 懸濁液の沈降速度
4.2.2 沈降分離装置
4.3 遠心分離
4.3.1 混合しない液体の分離
4.3.2 遠心沈降
4.3.3 遠心ろ過
4.3.4 遠心分離装置
 
5 食品原料の精選
5.1 原料の清浄
5.1.1 乾式清浄法
5.1.2 湿式清浄法
5.2 食品の分別、分質
5.2.1 重量分別
5.2.2 寸法分別
5.2.3 形状分別
5.2.4 色分別
5.2.5 食品の分質
5.3 粉 砕
5.3.1 粉砕理論
5.3.2 粉砕方式
5.3.3 粉砕機
5.3.4 粉砕材料の性状と機種および操作の選定
5.4 ふるい分けと分級
5.4.1 粒度分布
5.4.2 ふるい分け
5.4.3 分級
5.4.4 ふるい分けおよび分級装置
5.4.5 小麦の粉砕と分級
 
6 食品の混合
6.1 低粘度液のかくはん混合
6.1.1 かくはん速度
6.1.2 かくはん所要動力
6.1.3 かくはん機
6.2 乳 化
6.2.1 乳化食品の粒径と乳化法
6.2.2 乳化機
6.2.3 乳化の食品工業への応用
6.3 高粘度液および塑性物質の混合(捏和)
6.3.1 捏和の機構
6.3.2 回分式捏和機
6.3.3 連続式捏和機
6.4 混 合
6.4.1 混合度、混合速度
6.4.2 固体混合装置
 
7 食品の拡散的分離
7.1 蒸 留
7.1.1 二成分の気・液平衡
7.1.2 精留塔の基本式
7.1.3 理論段数の求め方
7.1.4 食品工業における蒸留
7.2 抽 出
7.2.1 固・液平衡
7.2.2 固体食品の抽出速度
7.2.3 向流多段抽出操作の抽出段の求め方
7.2.4 固体抽出方式
7.2.5 食品工業の抽出装置
 
8 食品の輸送
8.1 配 管
8.2 ポンプ類
8.2.1 液体輸送ポンプ
8.2.2 気体輸送機
8.3 泥しょう物質の輸送
8.4 固体食品の機械輸送
8.4.1 ベルトコンベア
8.4.2 チェーンコンベア
8.4.3 ローラコンベア
8.4.4 スクリューコンベア
8.4.5 コンテニュアスフローコンベア
8.4.6 空気コンベア
 
付 録〔T〕
付 録〔U〕
索 引